認知症いろいろ・暮らし方もいろいろ

若い頃ははやく、親元を離れて「ひとり暮らし」をしたかった。アパートを借りて、家具の配置を考えて、友達も呼んで一緒にご飯を食べたり、何と言っても“自由”!時間も気にする必要もない!ワクワクして希望に満ちていた。
「ひとり暮らし」から「独居」
若い頃ははやく、親元を離れて「ひとり暮らし」をしたかった。
アパートを借りて、家具の配置を考えて、友達も呼んで一緒にご飯を食べたり、何と言っても“自由”!時間も気にする必要もない!ワクワクして希望に満ちていた。
歳をとれば、子供達が独立して家を出る、老夫婦だけの生活になり伴侶をなくし「独居」になる。何ともさみしい言葉とひびき。「独居」になると遠く離れた子供たちは心配になる。しかし同居は難しい・・・不安がつきまとう、さあそうならないような「ひとり暮らし」をはじめましょう。
デイサービスはいろんな方が利用されますが、生活もいろいろです。
ただ一つ言えるのは「独居」の方が多い。
・一人だから楽でいいわよ。
・おしゃべりする相手がいないから一人でおしゃべりしているの
・食事は食べているけど、味気ない
・昨日はお赤飯を食べたわ(毎回お赤飯)
・ここに来たら楽しい、おしゃべりできていろんなことやって楽しみ
・皆でごはん食べるからおいしい
・今日はあの人は来ないの?ほらうるさい人よ。
こんな会話が飛び交う
地域の交流
子供会、青年会、婦人会などいろいろコミュニティがあった。
そういえば、うちの母が食中毒で倒れた時も近所のおばさんところまで走り、救急車を呼んでもらって、母が帰って来るまで一緒にいてくれた。
そんな中で生活をしてきた世代の皆さんが今、「独居」暮らしになっているのではないだろうか。
今は隣にどんな人が住んでいるのもわからない、挨拶もするかしないか、変な人だったらどうしよう。またコロナの蔓延で他者とのコミュニケーションもままならなくなったことで近所付き合い、人同士のコミュニケーションもなくなってきた。
今こそお節介なおじさん、おばさんが必要な時代かもしれない。
お節介なデイサービスを作ろう。
そして、井戸端会議ができるコミュニティを作ろう。
人と関わることで何かあったら手をかしてくれる人が増える。
地域にでましょう。
これもまた認知症予防に大きな効果を発揮すると思います。
楽しんで満足できる場所って大切ですよね。

日本認知症研究会副代表。看護学校卒業後、内科外来、透析室勤務を経て訪問看護ステーションにて3年間在宅医療に関わり、その後、介護付き有料老人ホームの看護職員として長年務められる。多くの認知症の入居者に携わるうちに、認知症について興味を持ち看護師として貢献できる認知症ケアについて学ばれる。周囲の仲間からは「大将」の愛称で親しまれ、医師主体の研究会の代表を務められた他、中国、イタリアで開催された学会でのご講演など多方面で活躍されている。