えんがわJAPANとは?
認知症に向き合う人が集まる
オンラインスペースを作りたい。
暖かな「縁側」のような、
情報交換ネットワークを作りたい。
認知症に向き合う方々との
「縁が輪」となって、
ひとりでも多くの方々を癒したい。
そんな思いで、日本認知症研究会が
このサイトを立ち上げました。
認知症に、
笑顔と人生を
奪われない。
日本認知症研究会
超高齢社会となり、 65歳以上では3人に1人が認知症となると言われています。誰にとっても認知症は他人ごとではいられない時代となりました。
大切な家族が認知症と診断されて漠然とした不安感を抱く中で、わらにもすがる思いで医療機関を受診する。もう安心だと思っていたら、治療を開始することで、かえって状態が悪化していく。 実はこれは決して珍しいことではありません。もの忘れ外来を行う医師として、そのようなケースを日常的に経験しています。
癌や感染症という他の西洋医学の歴史が100年程度であるのに対して、認知症治療の歴史はせいぜい20年前後と短く、いまだ発展途上です。 歴史の浅さのみならず、医療側の認知症への関心は、決して高いとは言えません。「専門家に任せておけば安心」と言う幻想をすて、介護者の方も最低限の知識をもっていなくては、ご本人を守ることはできないと覚悟してください。 医療者でない一般の方にも適切な認知症の知識を身に着けて頂きたいという想いから、この研究会を立ち上げることを決意しました。
また認知症ケアは総力戦です。ぜひ『点ではなく、面で考えること』を意識して頂きたいのです。
一粒の薬で劇的に改善することを期待するのではなく、薬剤の副作用に注意を払いながら丁寧に薬を調整する、栄養や睡眠、運動などの基本的な習慣を整え、生きがいを感じられる環境づくりを心がける。このような多方面からのアプローチにより、驚くほど状態が改善するケースを経験しています。現在世界で注目されているリコード法も、生活習慣を含めた面でのアプローチという考えが基礎にあります。
総力戦においては、多職種がチームとしてタッグを組むことで力強いサポートとなります。一般的に、専門職は同じ職種どうしで集う傾向があります。医師の開催する講演会には医療者のみが集まり、検査や診断、薬剤による治療について学びますし、介護職の開催する勉強会は介護職が集まって、介護について学びます。
基礎知識を共有しているためにスムーズで専門的な内容が学べるという利点はあるものの、そこには異なる立場からの問題提起や議論をかわす機会はありません。職種ごとの立場や価値観の違いを理解せずに「なぜわかってくれないんだろう?」と不満をつのらせながら仕事をしていることも少なくありません。
医療や介護が対立する現状は、認知症の方の幸せにつながりません。医療をとるか、介護をとるかの二者択一を迫られても困りますよね。認知症の方、介護家族にとって、医療や介護などのカテゴリ分けは、あまり意味をもちません。ただ目の前の問題を解決し、笑顔で過ごしたいというそれだけですから。 当会では、職種の垣根をこえ、ご本人の笑顔をゴールとしてフラットに意見をかわせる場でありたいと考えています。
そんな風に試行錯誤を重ねる日々は、私たちにとっても宝となると確信しています。サポートしているつもりの私たちが、いつの日か認知症になったとしても、なんとか笑って暮らしていけるという確信を得られますから。大切な家族と自分自身の未来のために、一緒に学びたいという方は、ぜひお声をおかけください。お待ちしております。
日本認知症研究会代表 白土綾佳