認知症になっても笑顔で過ごすことができるようになるには

みんなの体験談(介護)

2024年07月16日

おに さん

介護従事者

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認知症の方で、クタクタになっても歩き続け休むことが出来ない方がいます。担当医に相談すると「認知症の症状を抑える薬を増やすと肺炎になったり転倒骨折したりするが、それでもよければ増やしますよ」と。肺炎や骨折などの状態になってほしくはないので、お薬を増やすことは家族も希望しませんでしたが、コウノメソッドの本を読んでいると「本当に症状を抑えることはできないのだろうか」と疑問がわいてきます。
また、担当医は「もう自宅では暮らせない状態」との認識で、家族や介護事業所からの情報を「本人ではなく介護者側の困りごとであり、それを薬で抑えたいというのはケアができないということ」と捉えているようで「ケアができないなら施設に入れた方がいい」との認識です。
河野先生のように「患者と介護者のどちらかしか救えない時は、介護者を救います」「記憶力を高めることより、穏やかにさせる薬を優先させる」という治療を行う医師がどうして少ないのでしょうか。

また、担当医がコウノメソッド実践医ですが、混乱が強く対応に家族が苦慮して倒れそうな状態になっているため相談した返答が「認知症の方の症状をお薬で抑えることは当院ではあまりお勧めしません。否定せずに寄り添ったケアで本人が笑顔になるようにと勧めています」とのことで、とても悲しくなりました。

どちらの方も、家族が本人を思いやる気持ちを持ち、笑顔で過ごせるように、不安が少なくなるようにと対応されていますし、私たち介護従事者も同様に「寄り添ったケア」を実践してなお困っていると相談しているのに。
認知症になっても自宅で過ごしたいと思う本人。少しでも笑顔で過ごしてほしいと願う家族。どうしたら実現できるのでしょうか。

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コメント一覧

  • おに さん

    介護従事者2024年07月23日 21時25分

    白土先生、コメントありがとうございました。

    “おにさんもおそらくそうでしょうが、介護者が医療機関に相談している時点で、既にケアを色々試した結果、うまくいかないからSOSというパターンが多いのではと。そこで寄り添ったケアを…と言われると、介護者の心が折れてしまうこともありますよね”を読み、泣きそうです。わかってくれる人もいるんだと思うと心強いです。
    このコメントを読み反省する部分もありました。介護力不足と家族に対して感じたり情報に記載したりしている自分が、医師からそう思われることにはショックを受ける。私ももしかしたら家族に同じようなショックを与えているかもしれないと思い気をつけなくてはと思いました。
    先生の仰る通り、私も在宅が難しいなら施設と簡単に結論を出したくない思いです。歩き続ける、周囲とうまくコミュニケーションが取れないというのは施設でも課題になります。この方は入院中の病院では在宅生活の中で見せる顔は見せずに退院したので、状態に応じた薬剤調整がされていません。退院時カンファレンスでも「病院では刺激が少ないので自宅に戻った時に症状悪化するかもしれないが、通院でも調整は可能」と聞いていたので安心して退院し、家族、介護事業所のスタッフとで連携を密に取っていくのだと思っていたのですが、自宅での状況を相談すると「介護力不足」と認識される。
    在宅生活を支えるためのチームになりたい。

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  • おに さん

    介護従事者2024年07月23日 20時17分

    広島の赤牛さん、コメントありがとうございました。

    ご本人は薬剤調整のために入院した病院から退院の際に「もう入院したくない」と言い、「病院に入院するのはどうか」「施設で生活するのはどうか」と聞いた時には首を横に振り、「家で生活するのはどうか」と聞いた時にはうなづきました。
    「歩き続ける」「周囲への被害的な妄想がある」「怒りっぽさがある」などの症状はありますが、声掛けに対しての応答には意思が感じられます。
    記憶、理解、判断力が低下している人ではありますが、こちらの言っていることがある程度理解できていると感じているので、できる限り本人の希望を叶えたいというのが今の想いです。
    そのために、症状を緩和し「このあたりなら許容できる」というラインを家族と探していきたいです。

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  • おに さん

    介護従事者2024年07月23日 20時05分

    大将さん、コメントありがとうございました。
    医療と介護は両輪。その通りだと思います。また、その両輪でご家族も支えながら認知症介護の困難さを笑って振り返ることができるようになりたいです。
    現在、別の医師に相談し、きめ細やかなやり取りをしていただきながら調整を図っています。ご本人の状態も「歩き続ける」だけではなく、怒りっぽさも加わってきていますが、写真や動画をLINEで送って報告し薬剤の変更や増減を相談しています。

    ”最初は徘徊に思えていましたが、あまりにも多く、もしかして多動かもと思い
    医師に相談したら発達障害ではとのことで処方して頂き、落ち着かれたケースもありました。”というのはとても興味深いです。前回の医師からは「本人は歩きたくて歩いている。それに寄り添うのがいい」との見解がありましたが、私は歩きたくて歩いているのかなと疑問でした。「家に帰る」という気持ちから歩いているようですが、自宅にいても(自宅とわかっているようですが)歩く行動は変わりません。通常、クタクタになったら休みます。止まらないのは病的だと感じます。
    そのような話しが出来ない原因はやはり「困っているのは介護者側だろう」という偏見で見られているためです。
    私も医療への偏見を持っていると思うので、両輪で働けるようにコミュニケーションを取らなくてはいけませんね。

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  • 大将 さん

    医療従事者2024年07月21日 16時15分

    おにさん、こんにちわ。
    この投稿を見た時、私にとってはタイムリーに心にズンとくることがありました。
    先日、「認知症、薬について」の講演会の機会を頂きお話ししていました。
    コウノメソッドの薬物療法についても含みますが、その時に「介護者保護主義」について
    だったと思います、講演会が終わってからのご質問の中
    「介護者がラクになるような感じで認知症患者の人権はどうなのか。」
    とそこから認知症患者さんの人権のついてのディスカッションになりました。
    思わぬ展開に驚きましたが、私にとってはとても良い勉強になりました。
    ほぼ介護職の皆さんのご参加、介護ご家族でした。

    ~認知症になっても自宅で過ごしたいと思う本人。少しでも笑顔で過ごしてほしいと願う家族。どうしたら実現できるのでしょうか。~

    私は医療と介護は両輪でなければならないと思います。
    医療は患者の情報をしっかりと家族、介護者から聞かないと診療はできません。
    お書きになられたクタクタになるまで歩かれている、ご本人が辛そうな様子などを
    可能であれば動画に撮ったみせるなど。詳しく話されているとは思いますが・・・

    家族、介護者は、医師の診察後、処方薬について何に気をつけていけばいいのか。
    転倒しそうにフラフラになったら、食事中にむせ込みはじめたら、薬の量を半分にしていいのかなど詳しく聞いてください。

    医師は患者さんの診察、そしてご家族、介護者の情報をもとに処方されますが、その後の経過をみるのは一番側にいる家族、介護者です。経過をみて次回にしっかり医師に報告する。
    なので、医療も介護も両輪で動いていく必要があります。

    しかし、「あの薬のせいで・・・」とか「介護でなんとかして・・・」とか
    よく耳にします。ここを何とかしていきたいところです。

    医療と介護を繋げる人間が必要で、それを担うのは看護師かと思っていますが
    皆ができるとよいですね。

    「クタクタになるまで歩き続ける、休むことができない」
    以前勤めていた施設にもいらっしゃいました。
    最初は徘徊に思えていましたが、あまりにも多く、もしかして多動かもと思い
    医師に相談したら発達障害ではとのことで処方して頂き、落ち着かれたケースもありました。

    良い連携がとれることを願っています。




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  • 広島の赤牛 さん

    医師2024年07月19日 21時56分

    意味のない徘徊をする方は抗精神病薬が効かない印象があります。効くまで増やすと確かに誤嚥性肺炎とかふらついて骨折みたいなことが起こりそうなので、その先生がそういう意味で言われたのであれば納得です。

    ただし薬を使わないことで介護者が疲弊するようなら、それはいい方法ではありません。事情がわかりませんが、私だったらあまり薬を使わないで歩きたいだけ歩いてもらう、の選択をしたいです。家で難しかったら施設がいいです、もちろん歩き回るのを容認、転倒骨折も容認するのが条件です。精神科の病院に入院もありですね。

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  • 白土 綾佳 さん

    医師2024年07月19日 18時44分

    (続き)BPSD症状コントロールを積極的にしてくれない医師が解決方法として「自宅で無理なら施設へ」という提案をされるのですが、介護施設としてもマンパワーは限られており、家庭で大変であったことが介護施設に場所を変えるだけであるというのが現実です。
    それであれば、自宅にいる段階で適正量で抑制薬を使い、自宅で穏やかに過ごせないか頑張ってみるというのも一つだと思います。おだやかに暮らすことをよしとする医師を探してみるのも、一つの選択肢かとは思います。(苦渋の選択であることは重々承知の上で)

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  • 白土 綾佳 さん

    医師2024年07月18日 18時46分

    コウノメソッド実践医(開業医)の立場からご回答をさせて頂きます。

    認知症の困った症状に対して、ケア(介護)で対応すべきか医療(薬剤)で対応すべきか、AかBか?という二項対立で考えなくてもよいのではないか…と考えます。「使える手は何でも使う」がよいかと。ご本人の気持ちに寄り添ったケアの試行錯誤を続けつつ、穏やかにする薬も少量から試してみる、ということになります。

    おにさんもおそらくそうでしょうが、介護者が医療機関に相談している時点で、既にケアを色々試した結果、うまくいかないからSOSというパターンが多いのではと。そこで寄り添ったケアを…と言われると、介護者の心が折れてしまうこともありますよね。
    医者がそのような薬をあまり処方してくれないのは、医者の中での評価軸が‘認知機能’だからかもしれません。抑制薬を使って穏やかになっても、認知機能はよくならないので価値がない、という思考パターンになってしまうのかなと。つづく

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