プロトンポンプ阻害薬(PPI)

投稿日:2024.09.03

もの忘れの高齢男性 初診時、もの忘れ、倦怠感、意欲低下などを訴えていましたが...

もくじ
もの忘れ高齢男性
PPIの慢性的な服用

もの忘れ高齢男性

初診時、もの忘れ、倦怠感、意欲低下などを訴えていましたが、

①プロテイン摂取
②ニフェジピン(降圧剤)減量
③PPI(逆流性食道炎《図参照》・胃潰瘍の薬剤)の茯苓飲合半夏厚朴湯への変更

などにより、1ヶ月後、もの忘れ、倦怠感は改善し、意欲低下は軽減しました。

血圧は相変わらず110~120/70~80と低めだったため、ニフェジピン中止により、さらなる意欲の向上を目指します。

PPIの慢性的な服用

PPIの慢性的な服用は、これまで認知症、腎機能低下、腸内環境の悪化、ミネラル不足、骨折、耳鳴り・めまいなどのリスクが報告されていましたが、最近の研究では、胃がん・大腸がんのリスクにもなるようです。

長くても、PPIの服用は6週間以内にとどめましょう。中止する際に嘔気が再燃することがありますので、この方のように、茯苓飲合半夏厚朴湯に切り替えると上手くいくと思います。

ちなみに、PPIとしては、

オメプラール(オメプラゾール)、ネキシウム(エソメプラゾール)、
タケプロン(ランソプラゾール)、パリエット(ラベプラゾール)、
タケキャブ(ボノプラザン)

などが挙げられます。

 

あわせて読みたい
高齢者の不眠治療
クスリのリスク
夕方低血糖による帰宅要求
ビタミンBと認知症
睡眠と認知症
薬の引き算
楽しいこと
みなさまの声を募集しています。

えんがわでは、認知症のご家庭の皆さまと、
認知症に向き合う高い志をもった
医療関係者と介護関係者をつなぎます。
認知症に関するお悩み、みんなで考えていきたいこと、
どんどんご意見をお聴かせ下さい。