認知症いろいろ・医療もいろいろ
最近、お父さん(お母さん)ものわすれが酷くなった。着ている服の季節感がない。冷蔵庫に同じものが沢山入っている。道に迷ってしまう。認知症かも知れない、病院相談しようと皆さん思われると思います。さてどこに行けばいいのか、考えてしまいますよね。今回は私の経験から病院選びについてお話しします。
大学病院、大きな病院(ものわすれ外来)
まずは受診して、問診をし付き添いのご家族の話を聞き長谷川式などの検査をして、脳のMRIなどの画像検査の予約をして次の診療に望むことになるかと思います。
そして次の診察で脳の萎縮の状態の説明を受け、抗認知症薬が処方され内服開始になり、次の受診日を決める。その間に例えば困った事象があって病院に連絡してもなかなか、連絡がとれないこともあり、「予約ではないから、かなり待ちますけどよいですか?」
と言われることも多い。興奮した患者さんは待てない。
そしていつの間にか通えなくなります。
精神病院
認知症の病棟もある精神病院もある。
多分、精神科を受診される認知症でお困りの方は症状的に暴れたり、急に怒り出したりまたはうつ症状などがあるからではないでしょうか?精神科から症状が安定したからと老人施設へと転院される方は多い。退院後は様々ではある、落ち着いた生活をされる方もいらっしゃるが、ADLは落ちている。このまま処方された向精神薬を内服してよいのだろうかと思ってしまうケースも多々あります。本当に悩んでしまいます。
認知症の周辺症状は精神疾患症状と似ているのかもしれないけれど・・・
高齢者に使う内服量は少量でADLの低下につながらないようにと思う。でも「お薬飲んでるから落ち着いてるんですよ。」と言われると返す言葉が出て来ない。
かかりつけ医、町医者
認知症の専門医、精神科の専門医ではないけれど、長く診てもらっている医者。かかりつけ医です。長いお付き合いもあり、身体のこと、生活のこと、正確などもよくわかってもらっているのではないでしょうか?
かかりつけの先生が認知症の専門医ではなくても必ず相談にはのってくださいます。その後、ものわすれ外来や精神病院をご紹介されるかもしれませんが、引き続き診てくださるケースは多いと思います。
かかりつけの先生には何かあった時に相談しやすいとも思いますし、往診もされる先生も増えており、訪問診療だけのクリニックもあります。
まとめ
かかりつけ医の先生にまずは相談されるのがよいかと思います。
かかりつけ医がいない場合は地域包括支援センターなどにご相談してもよいかもしれませんが、今はインターネットからご自分で情報収集はできると思います。
自分の両親や家族が安心して通える病院、そして治療(内服薬)であってほしいと願いますよね。
認知症はまだまだわからないこともあります、だからこそ自分で調べ知識をもつこと、それが自分の家族を守ることに繋がると思います。
わからないからと人任せにしないことです。
日本認知症研究会副代表。看護学校卒業後、内科外来、透析室勤務を経て訪問看護ステーションにて3年間在宅医療に関わり、その後、介護付き有料老人ホームの看護職員として長年務められる。多くの認知症の入居者に携わるうちに、認知症について興味を持ち看護師として貢献できる認知症ケアについて学ばれる。周囲の仲間からは「大将」の愛称で親しまれ、医師主体の研究会の代表を務められた他、中国、イタリアで開催された学会でのご講演など多方面で活躍されている。