認知症をつくるな
「認知症治療のその前に!」というお話を
認知症じゃなくてせん妄かも
認知症セミナーでは認知症の4タイプ…から話を始めてしまいがちですが。
実はその前段階でぜひぜひ確認したい重要なこと。
その症状、認知症じゃなくてせん妄かもよ~
先日
かかりつけの患者さんが息子さんに連れられて来院しました。
息子さんがすごく慌てていて。
忘れっぽさは年齢相応の方なのに。
突然
「そこに猫がいる!」と落ち着かない様子になったとか。
「先生!ついにばあちゃんがボケちまった!!」
そう思いますよね。
ムリはありません。
でもね、
突然…なんです。
「なにか…新しく薬を飲み始めたということはないですか?」
「胃が痛いって言って…ここが休診だったので、××医院で胃薬を…。」
それだーーーーー!
H2ブロッカーという胃薬による、せん妄でした。
薬をすぐにやめてもらい翌日には元に戻っています。
大切なこと
この話で大切なことは、脳に関係なさそうないろいろな薬がせん妄をひき起こすよということ。
そして
せん妄をひき起こす薬=長期で飲んでいると認知機能を低下させる。
胃薬によるせん妄と気づかずにずーっと飲んでいると本物の認知症になってしまう。
こわいですよね。薬は、こわいんです。
だから
「突然認知症になった!」
と思ったら、まずはせん妄を疑ってお薬チェックが正解です。
飲んでいる薬の中にせん妄を起こす薬がないかわからない場合は、薬剤師さんに相談です。
※本記事は白土綾佳先生のメルマガ配信の過去の内容を一部構成し直したものです。メルマガ(無料)のお申込みはこちらから
自治医科大学医学部卒業後、茨城県の地域医療に従事され、平成29年にあやか内科クリニックを開院。大病院に紹介しても症状が改善しない患者さん、介護で疲れ切った家族を笑顔にしたいという思いで、公立病院勤務中にコウノメソッドを開始し、劇的に改善する患者さんを見て、この方法を全国に広げるための活動をはじめられる。「認知症にならない」予防と「認知症になっても大丈夫」な診療・環境づくりの両輪が整う社会を目指されている。