木村武実の読みもの
- 薬物に頼らない不眠対策
認知症で一番多いアルツハイマー型認知症では、脳のごみといわれるアミロイドが蓄積し、神経細胞を傷害するため、脳が萎縮して認知機能が低下します。一方、アミロイドは、睡眠中の脳内の清掃作業によって除去されます。そのため、睡眠時間が6時間未満の人は、7時間以上の人と比べるとアミロイドが約5倍脳に溜まります。したがって、睡眠時間が短いとアミロイドが脳内に残ってしまい、認知症のリスクになります。
投稿日:2025.01.28 - 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、認知症の重大なリスクです。そして、中年以降の人の有病率は、かなりの数に上るといわれています。そこで、SASについて詳しく説明したいと思います。SASは、睡眠中に一時的に呼吸が止まる状態が繰り返される病気です。これにより睡眠が断続的に中断され、質の低い睡眠が続くことから、日中の強い眠気や集中力の低下などの症状を引き起こすことがあります。
投稿日:2024.11.27 - もの忘れが進行しない人たち
70代男性 4年前初診時、長谷川式スケールが22点でしたが、今回も22点のままでした。4年間、認知機能が維持されているということはすばらしいことです。
投稿日:2024.10.24 - プロトンポンプ阻害薬(PPI)
もの忘れの高齢男性 初診時、もの忘れ、倦怠感、意欲低下などを訴えていましたが...
投稿日:2024.09.03 - 運動の重要性
80代女性。「9月から、グラウンドゴルフができるようになって、 元気になった」とおっしゃいました。高齢者に運動は重要です。
投稿日:2024.09.20 - 高齢者の不眠治療
日本人の5人に1人は不眠といわれています。高齢者になると、その頻度がさらに高まります。そのため、高齢者の多くの方が、睡眠薬を服用しています。しかし、睡眠薬の長期の使用は、転倒・認知症・がん・死亡率などの増加のリスクになるといわれています。そのため、高齢者の不眠には、薬物療法以外の対策が必要です。
投稿日:2024.07.30 - クスリのリスク
60代男性
朝散歩、ブルーライトカットを実践して、睡眠は十分取っているのに、うつ状態は良かったり悪かったりで、もの忘れもみられるようになりました。血液検査では腎機能障害が認められました。投稿日:2024.07.08 - 夕方低血糖による帰宅要求
夕方になると、「家に帰る」と言って不穏になられる認知症の方が結構いらっしゃいます。明るさが減じることによる意識レベルの変化も一因ですが、低血糖も関係しています。
投稿日:2024.05.09 - ビタミンBと認知症
ビタミンBはTCA(クエン酸)回路を通して、エネルギー産生に密接に関係して、非常に重要な役割を果たしています。血中ビタミンB1濃度が50ng/mL未満は欠乏症ですが、日本人男性の平均値は35.8ng/mL、女性は31.4ng/mLであり、日本人の約7割がB1欠乏状態です。症状として、疲れやすい、だるい、意欲・集中力低下、イライラなどの症状がみられます。(ビタミン,76(7):349- 353,2002)
投稿日:2024.04.05